OMS戯曲賞とは
OMS戯曲賞は、1985年に大阪ガス株式会社が開設した複合文化施設「扇町ミュージアムスクエア(以下、OMS)」の10周年記念事業として1994年に創設。大阪ガス株式会社が主催し、Daigasグループの大阪ガスビジネスクリエイト株式会社が事務局の運営を行っています。
本戯曲賞は、関西2府4県で次代を担う新しい劇作家を発掘するだけでなく既に評価を得ている劇作家にも活躍の場を与えることを目指しており、関西における演劇・戯曲創作を支援する関西発信の戯曲賞として全国的にも注目を集めています。
新作を書き下ろし上演された作品を対象に、大賞・佳作を1作ずつ選び、各受賞者には賞金を贈呈するとともに、大賞作品には再演支援金を助成して活動を応援しています。
また、受賞作品と選評や選考過程を収録した冊子「OMS戯曲賞」を出版しています。
この活動は、公益社団法人企業メセナ協議会による顕彰事業「メセナアワード2011」において、芸術文化振興に高く貢献した芸術文化支援活動に贈られる「メセナ大賞部門」で、「OMS戯曲賞による関西の演劇支援」を評価され『演劇ともしび賞』を受賞しました。
ごあいさつ
大阪ガス株式会社
関西の文化振興を目的に主催している「OMS戯曲賞」が25周年を迎えました。
「OMS戯曲賞」は、当社が1985年に開設した複合文化施設「扇町ミュージアムスクエア(以下、OMS)」の10周年記念事業として、次代を担う新しい劇作家の発掘と、既に評価を得ている劇作家に活躍の場を提供することを目的に1994年に創設しました。OMSは、当時、関西では珍しかった小劇場を備え、劇団の育成や支援を行いながら演劇文化を発信してきました。OMSは2003年に閉館しましたが、「OMS戯曲賞」は、弊社の社会貢献事業として継続して実施し、毎年50~60件程度の応募をいただき、現在に至っております。
当社は、25周年を機に、これまでの受賞作品に再度、光を当て、皆さまに「OMS戯曲賞」を知っていただく機会を提供するとともに、劇作家の育成や支援を行い関西の演劇文化を振興させることで、地域社会の活性化と発展に貢献してまいります。
無料配信については期間限定ではありますが、OMS戯曲賞受賞作品のなかで、今回、当25周年企画の趣旨にご賛同のうえ許諾の得られた劇作家・団体の舞台映像作品19作品をご覧いただけます。
また、上記期間に合わせて、過去の受賞作品を掲載している「OMS戯曲賞本」を特別に販売いたしますので、映像配信に入っていない作品も含め、戯曲原作をお読みいただけます。
この機会に、一人でも多くの方々に「OMS戯曲賞」の作品にふれていただければ幸いです。
OMS戯曲賞
25周年に寄せて
「25年」おめでとうございます。そして、ありがとうございます!
私の名刺には、編集者と小さく文字が入って、その下に小堀純の名前がある。
以前は~編集長や~客員教授という肩書きが入った時期もあったが、今は何も入っていない生涯一編集者である。
思えば20代の頃から60代半ばを過ぎた今まで、数多くの<現場>に立ち会ってきた。
たのしくて、うれしいこともあれば、つらくかなしいこともあった。
何とかやってこれたのは、「演劇」に係わる人たちとの出逢いがあったからだ。「演劇」そのものではない。「演劇」という表現を必死で支え続けた人たちとの出逢いである。
「編集者」も労力ばかりの地味な仕事だが、「演劇現場」を支えるのはほんとうにシンドイ、でも誰かがやらなければ「演劇」は生まれない。
1994年に始まったOMS戯曲賞は26回目を迎えた。
歴代の受賞者との出逢いも編集者として、励みになったが、何よりもこの賞の創立、運営に携わってきた大阪ガスの人々との出逢いが私には大きかった。彼らは貴重なお金と時間をこの賞のために使ってきた。大阪ガスは文藝春秋や講談社ではない、その名の通りの企業が社会貢献し、大阪の文化を守ってきたのだ。私もまたOMS戯曲賞に係わることで、この大阪で生きてこられた。
名刺の裏は白一色で何もないが、私が密かに誇りに思っている肩書きは「OMS戯曲賞世話人」である。
小堀 純
小堀 純(こぼり じゅん)/編集者
●1953年、愛知県名古屋市生まれ。
北村想、内藤裕敬の戯曲集、中島らもの作品集のほか「OMS戯曲賞」などの書籍の編集を数多く手がける。扇町ミュージアムスクエアや大阪演劇祭・大阪現代演劇祭、精華演劇祭などの企画に係わってきた。
受賞作品一覧
※作品詳細をみる→ 映像配信を行っています。
※なお、作品解説はOMS戯曲賞20周年記念誌「言葉の劇場」より引用しています。