第18回(2011年)大賞:林慎一郎
サブウェイ
作品解説
外国人映画監督が日本の地下鉄を舞台にしたドキュメンタリー映画『武装サラリーマンショック』を撮影するという設定の舞台。地下鉄=”サブウェイ“に隠された陰謀に迫るというコンセプトを持った映画の中で「事実はバカだというよりバカが事実なのだ」という言葉をモチーフにし、保険会社の職員、小学校の教師、フリーター、ナースなど7人の登場人物達が景色の見えない車内で、自己の内面を、そして思いを言葉にして語っていく。地下に響き合うすさまじいまでのエネルギー、それに木霊する様々な声。そこ垣間見えるのは都市生活者の息苦しさ、虚無感、喪失感…。本作は人間の蠢きを
声(言葉=台詞)にし鮮やかに戯曲化した。(安藤善隆)