穢れた人形達はあまりに尊い夢を見た
キャガプシーと呼ばれる人形達は人形同士で壊し合いをするために創られました。
人間の罪の穢れを浄化するための儀式なのです。
さあ、気になるのは、キャガプシー達が何を考えていたかです。
その儀式は人里離れた場所でひっそりと行われていましたが、
ある時、その壊し合いを見世物にしようと考えるネズミという男が現れました。
それから10年、仲間を壊し続けるトラワレという名のキャガプシーを
破壊させるための人形を作り続ける盲目の人形師ツミ。
ガラクタを集めて小屋を作り、そこで人間たちに残酷なショウを見せ続けるネズミ。
三者は互いに笑い合うことも、泣き出すこともなく過ごしていました。
しかしある時創られた「ウナサレ」というキャガプシーは何かが壊れていました。
彼は眠るたびに悪夢にうなされると大声で嘆き、先に創られたトラワレを兄だと言い放つや、朝も晩も、
大笑いをしながらトラワレを全身全霊で愛し始めました。
そして何かが、変わり始めます・・・