江戸川乱歩の書いた小説がすべて史実であった世界の2017年。「パノラマ島綺談」に描かれた事件が起きて百年近くが経過した社会。パノラマ島は世界的に注目されながらも廃墟のままうち捨てられ、呪われた場所と化していた。所有者である菰田家は落魄。資金援助していた東小路家はパノラマ島の観光地化を提案する。そのためには一族の総意が必要で、わけあって家から離れ、東京で暮らしていた末裔の青年たちにも召集がかけられた。
猟奇的な殺人事件が頻発する東京を後に、彼らは菰田家に戻る。そこで待ち受けていたのは、予想だにできなかった彼らの出生の秘密と、避けることの出来ない宿命の対決だった。