深夜の住宅街の公園。そこに現れるのは、一人の女と、一人の男。
二人は偶然出会い、同じ型のリュックを持っていることから、わずかな縁を感じながらも、互いに距離をとりつつ再び顔を合わせるようになる。
やがて二人は、公園で土に触れ、裸足で歩くといった小さな行為を通して、「感動」「もやもや」といった心の在り方を語り合うようになる。
女は「死にゆく人に手を握られたとき」の体験を、男は「スポーツのファインプレーを見た瞬間」などを語りながら、言葉にできない感情の正体を探す。
対話を重ねるうちに、男は実は女の「水子(母が流産した子)」であることが示される。二人の会話は現実と幻想、宇宙や胎内のイメージを行き来しながら展開し、存在できなかった命と生まれた命との関係、母への想い、そして「生きること」や「死ぬこと」への問いが交錯する。
最後、公園に戻った女は再び男と出会い、会話を重ねるが、やがて男は静かに消えていく。残されたのは、母の影響や自らの存在への葛藤を抱えながらも、生きるしかない女自身であった。