老人ホームに入居している97歳の岡谷正雄は、介護職員が提供するレクリエーションに腹を立てていた。
彼は命を懸けることができるレクリエーションを欲し、介護職員は「生前葬をしましょう」と提案する。それから月に一度、岡谷は死ぬことになった。
横たわる岡谷の前で、介護職員の氏家や一反田が語る岡谷とのエピソードや人生。それを静かに見守る、娘の山岡幸枝。生前葬が行われるたびに、毎回違うリアクションで応じ、介護職員にダメ出しをする岡谷。どのように生き、どのような死を迎えるのか、レクリエーションとしての葬儀=レクリエーション葬を通じて、最期のときを迎えるリハーサルを皆でしているかのようだ。
今日も老人ホームでは、岡谷のレクリエーション葬がはじまった。たまたまそこに居合わせた入居者の宮坂礼子とその息子・杜夫も、レクリエーション葬に参列することになる。そこで突然、岡谷は杜夫に対して、自分の息子「隆」だと、名前を連呼し始めて—。