人と人ならざるものの住む世界の境がまだはっきりしていなかった頃のお話。
エミを女手一つで育てた母が亡くなった。
遺品整理の最中に見つけたのは、大切に仕舞われていた手紙の束。
しかしその手紙は全て白紙だった。
「その手紙は、お父さんからお母さんに宛てられたものだよ」
「白紙なのに」
「元は白紙じゃなかった、奪われたんだ何もかも」
母の古い友人、青山の言葉。
母でさえも語ったことのない父の存在。
エミは青山とともに汽車に乗り込み、父を探す旅に出る。
CoRich舞台芸術アワード!2020にて第8位にランクインした話題作。