水野チサトは元恋人・毬井(マリイ)という男の死をどうしても受け入れられずにいた。彼の死後、体調を崩し、店長として務めていた飲食店も辞めてしまった。そんな彼女がある日、「やっぱり毬井くんは生きている」と主張しはじめる。毬井が生前に書いていたブログが、今も更新されている、というのだ。しかし、確かに毬井が死んだことは事実である。
チサトの姉・ハルカは、そんな妹とどう向き合うべきかに困り果て、職場の友人・生方(ウブカタ)という男に助けを求める。自宅に彼を招待し、妹と話をさせてみることにしたのだ。はじめは激しく生方を拒絶していたチサトだったが、彼の落ち着いた人柄に触れるうちにだんだんと心を開いていく。生方はチサト・ハルカと相談の上、毬井のブログを現在も更新し続けている「なりすまし」の犯人を特定することを決心し、独自の調査を始めることにした。
物語はもう一方の側からも展開する。つまり、その「なりすまし」の「犯人」武田の側からである。武田は結婚願望の強い恋人や、気のいい後輩に囲まれて安定した日々を過ごしていたのだが、そこへ突然、学生時代の友人・毬井の死の知らせが届く。やがて武田は、毬井の意志を継ぐかのように、毬井が生前に残した「手記」をブログにアップしはじめる。武田には生前の毬井と交わした約束があったのだ。
そして生方が武田を探してあて、ブログの更新は止まる。ゆっくりとだが、確かにチサトも毬井の死を受け入れていく……。
キャスト
渡邉圭介/糸山和則/榊菜津美/沼田星麻/中野智恵梨/石本政晶/石井葉月/石井双葉/一川幸恵/笠井里美(以上、アマヤドリ)遠藤杜洋/秋本雄基(アナログスイッチ)
スタッフ
作・演出:広田淳一
舞台監督:都倉宏一郎/照明:三浦あさ子(担当・シアター風姿花伝/せんだい演劇工房 10-BOX box-1/in→dependent theatre 1st)/石田麗(担当・スタジオ空洞)/衣装:矢野裕子・本荘澪/演出助手:岩本好礼(perrot)・徳倉マドカ・石田麗/文芸助手:稲富裕介/宣伝美術:山代政一/制作:斉藤愛子/楽曲提供: B.I.G ina/協力:A-Team・アナログスイッチ・in→dependent theatre・せんだい演劇工房 10-BOX・劇団fffff・perrot/企画製作:アマヤドリ/主催:合同会社プランプル/提携:シアター風姿花伝/助成:芸術文化振興基金