大正2年、文芸協会を裏切るように脱退した島村抱月、松井須磨子の芸術座は第3回公演にトルストイ作、抱月脚色の「復活」を上演、公演は通算444回を重ねる近代演劇史上初の大成功となりました。この作品の何が当時の観客の心を打ったのでしょう。
キンダースペースでは、原田一樹の脚色・演出で、芸術座での「復活」上演時のエピソードと、「復活」のドラマそのものを並べて打ち出すことで、日本人の被害者と加害者意識に問いかけます。
【トルストイ「復活」あらすじ】
貴族ネフリュードフは19歳の時、叔母の家で働くマースロワ(カチューシャ)と出会い恋に落ちた。三年後、彼は社会に出て変貌している。再会の時、カーチャと関係を持つが、その仲は戯れだったと自覚した彼は彼女から去る。カーチャは私生児を産み、生活の困難から娼婦にまで落ちぶれる。十年後、二人は裁判所で陪審員と被告で再会する。ネフリュードフはカチューシャを救おうとするが、それは同時に失ったかつての自分自身を取り戻すことであった。留置場でカチューシャは彼を拒絶する。カーチャはシベリアに送られ、ネフリュードフは彼女を追う。シベリアで二人は和解する。が、カチューシャはネフリュードフを愛しながらもシベリアで生きることを選び、ネフリュードフもまた、新たな人生を歩み始める。
キャスト
瀬田ひろ美(劇団キンダースペース)/平野雄一郎(劇団キンダースペース)/小林もと果(劇団キンダースペース)/古木杏子(劇団キンダースペース)/深町麻子(劇団キンダースペース)/森下高志(劇団キンダースペース)/秋元麻衣子(劇団キンダースペース)/榊原奈緒子(劇団キンダースペース)/伊藤勉(劇団文化座)/川野誠一(劇団大樹)/吉澤恒多(劇団昴)/荒牧大道(うずめ劇場)/松村千絵(プロダクション・タンク)/上野彩(スターダス・21 カンパニー)/林正宗(スターダス・21 カンパニー)
スタッフ
原作:トルストイ/構成・脚本・演出・美術:原田一樹/音楽:和田啓/翻訳・考証:内田健介/照明:篠木一吉(創光房)/音響:浦崎貴(ワンダースリー)/美術補佐:西村有加/衣裳:鳥居照子/小道具:高津映画装飾(株)/舞台写真:中川忠満/舞台監督:村信保/音響オペレーター:三枝竜/チラシデザイン:古木杏子/制作:白沢靖子・西川ゆき依・藤川千尋/舞台製作:坂上朋彦・中村智也/協力:劇団文化座、スターダス・21、ささきやよい(サーティーズ)、キンダースペース賛助会・友の会、ワークユニット2014/提携:シアターX