~はじめに言葉があった。闇から作り出された光の根源は言葉だった~
夜明けの街で、その街のデッサンを描いている男<模型屋>が朝ごはんの
サンドウィッチにかじりついたとき、そこには20世紀という音がつまったカセットテ−プが
はさまっていた。このテープをずっと聞けずにいた<模型屋>。
今の時代にカセットテープなんて再生するには、あの時代遅れのカセットデッキが必要なのだ。
そんな時、模型屋の店に時代遅れの女<音々>がやってくる。
<音々>は未だに21世紀に来ることができないでいる。
周りはどんどん進んでいるのに、昭和を引きずっているのだ。
<音々>は今日もまたいつものようにバスに乗り遅れて、パソコンにもついていけず、
コピーも満足に使えず、携帯電話を持ったはいいがどうもうまく操作できない。
そしてとうとう会社にも見放されてしまった・・・ 服装も行動も何もかもが時代遅れなのである。
そんな時、靴の底でくしゃくしゃになった引き換え用紙を見つける。
それは、ずっと前に注文していたある模型の引換券だった。
「忘れてた。もう一度この街で私だけの21世紀のニューイヤーを迎えて
やり直していこうって注文していたんだっけ?」
愛用のカセットデッキをかついで模型屋の店に行く<音々>。
聞けるはずのなかったカセットテープは<模型屋>と<音々>の手で再生されてしまった。
そして、消えたはずの20世紀がもう一度再生され、語り継がれていくのだが・・・
キャスト
出口弥生/中村隆一郎/吉川貴子/早川丈二/ののあざみ/山下平祐/上田泰三(MousePiese-ree)/村上桜子/後藤七重/樋口美友喜/池田祐佳理
スタッフ
作:樋口美友喜/演出:池田祐佳理
舞台監督:中村貴彦/照明:岸田緑((株)エスエフシー)/音響:金子進一(T&Crew)/舞台美術:柴田隆弘/衣装:出口弥生/小道具:植田宏美/画提供:でぐちやよい/宣伝美術:HIPSTER/写真撮影:中島仁實(digital-connection)/舞台撮影:武信貴行/専属トレーナー:木原敬司制作:福井愛・前川恵利子・浜本浩志・谷雅之・小竹亜矢子
協力:出口商店・(有)翔樹・NPO法人アートネットワークジャパン・(株)治商・WI'RE・MousePiece-ree・On The Run・ステージアーツ・岡本康子・鈴木田竜二(寿団事務所)・瀬川有生・柳澤尚樹(M.C.S.)・宮本理絵・高橋利枝・堤久人
主催:劇団アグリーダックリング