武士道とは 死ぬ事と見つけたり
戦国時代。多くの戦国大名達が群雄割拠していた。
甲斐信濃をおさめる武田家軍師・山本勘介はズバ抜けた知能を持ち、
「千年早き男」と呼ばれ高い武名を馳せていた。
その勘介の家臣・加藤段蔵は戦乱の世にあって誠の武士魂を持った侍。
勘介と段蔵は深い忠義で結ばれていた。
ある時、段蔵は北条氏政が放った刺客と一戦を交え瀕死の重傷を負う。
段蔵の死を惜しんだ勘介は、
自らの手で段蔵を砕武具(サイボーグ)として蘇らせる事を決心する。
驚く事に、勘介はこの時代において
最新医学・電子工学・核融合技術といったハイテクノロジーを極めていたのである。
果たして手術は成功、加藤段蔵は砕武具として蘇ったのであった。
当然ながら武田君主・信玄は全国制覇の野望のために段蔵を利用しようと考えていた。
信玄の下命を受け、人間兵器として幾度も戦へと向う段蔵。
砕武具の力は絶大であった。段蔵の手により他国の勇猛な武将達は、
その名城と共に次々と殲滅させられていく。
しかし、段蔵は非情な信玄、勘介に疑問を抱く。
「この人知を越えし力が、民のためとなるのでござろうか・・・」
「戦の世ならば。むべなるかな。段蔵、もののふとして天命をまっとうせい」
「笑止。一度死んだこの鉄屑の身。所詮は人斬りの道具にござる」
家臣ではなく、一人の武士として勘介に背く段蔵。
だが妻・あかりが信玄の手によって謀殺される。
陰謀を知った段蔵は侍の身分を呪い、甲斐信濃を捨てて流浪の身となるのであった。
流浪逃亡の日々は続く。
勘介の放つ刺客に狙われ、またその力を狙う北条や織田にも追われる身となる段蔵。
やがて彼は、身を隠す三河の山中で伊賀の服部半蔵と出会う。
忍びでありながら家康側近として仕える変り者。
この男もまた、世の平穏を願う誠の侍であった。
侍としての信念を貫いた加藤段蔵。
己れの忠義に生きようとした服部半蔵。
時代の行く末を追い続けた山本勘介。
そして、天下を夢見た数多くの武将達。
風雲告げる戦国時代。最後に荒れ狂う戦乱に栄光を手中にするのは誰なのか?
「武田の騎馬隊」「織田の鉄砲隊」をも凌ぎ、
一騎当千と言われた砕武具・加藤段蔵。
己れの信念を信じ、歴史をも変えた侍の壮絶なドラマが繰り広げられる。
キャスト
美津乃あわ/山浦徹(化石オートバイ)/宮都謹次(売込隊ビーム)/保坂和拓(朝日放送アナウンサー)/高瀬和彦(ババロワーズ)/早川丈二(MousePiece-ree)/近藤ヒデシ(COMPLETE爆弾)/いいむろなおき(いいむろなおきマイムカンパニー)/鈴木洋平/鴨鈴女(南河内万歳一座)/天野美帆/Sarah(ムーンビームマシン)/伊藤えん魔
スタッフ
作・演出:伊藤えん魔
舞台監督:藤原治基(オフィスビーワン)/照明:西崎浩造(キザシ)/音響:奥村威(T&crew)/舞台写真:山田徳春(STUDIO 500G.)/舞台記録映像:Dott Office/制作:猪瀬典子(PAC West inc,)/企画制作:オフィス・ファントマ/衣装協力:ヨダミカ(Gato-Gato)