'85年、岐阜大学OBを中心に旗揚げ。'91年から東京、'97年から大阪でそれぞれ定期公演を始め、以来三大都市巡業スタイルに。観客との想像力共有を信じ、細かい会話研究を武器に、演劇に残されたリアリティと知的エンターテイメントを追求している。'93年池袋演劇祭優秀賞、'95年と'97年にシアターグリーン賞。'01年と'06年に名古屋市民芸術祭賞。なお、代表のはせひろいちは、'99年、'04年、'06年の3回、岸田國士戯曲賞の最終候補にノミネートされている。
'85年、岐阜大学OBを中心に旗揚げ。'91年から東京、'97年から大阪でそれぞれ定期公演を始め、以来三大都市巡業スタイルに。観客との想像力共有を信じ、細かい会話研究を武器に、演劇に残されたリアリティと知的エンターテイメントを追求している。'93年池袋演劇祭優秀賞、'95年と'97年にシアターグリーン賞。'01年と'06年に名古屋市民芸術祭賞。なお、代表のはせひろいちは、'99年、'04年、'06年の3回、岸田國士戯曲賞の最終候補にノミネートされている。
ランチタイムセミナー 〜検証1...
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ミステリー・サスペンス
ペルー日本大使公邸人質事件
事件の発生は1996年12月17日の夜。日本大使公邸で行われていたレセプションの最中、覆面をした一団が乱入し、制圧・占拠した。発生当初、早期解決が期待されていた事件は、その後の進展がなく、ついに4か月以上経った1997年4月22日、衝撃的な結末を迎える。加熱する報道、平和解決を望む日本政府と、日本国籍をも持っていたフジモリ大統領との確執、駆け引き、そして裏切り。その板挟みにあった邦人の人質たち。事件が「劇場型」という表現で語られるきっかけになった出来事でもあった。
人質となって4カ月を迎えたとある日、日本大使公邸の「娯楽室」と名付けられた一室では、軟禁状態の退屈さを埋めるため、今日も邦人人質の有志で麻雀が行われていた。単身赴任中で課長クラスの石嶺、近藤、若手の岸、そして大使館勤務の2等書記官である山崎の面々だ。時折、館内に響く銃声に怯えながら、赤十字から届く、家族からの手紙や差し入れ、そしてそのゲリラ立ち合いの検閲に一喜一憂しながら、いつ終わるとも知れない「日常」に身を沈めていた。「富める国ニッポン」の高学歴なビジネスマンに、尊敬と好意すら抱くゲリラ側の少女たち。ゲリラ側の首謀者との対話を試みる石嶺。生きる活力を失わないよう、定期的に開催された昼食後の勉強会「ランチタイムセミナー」。誰もが心の片隅に、漠然とした平和的解決のイメージを抱いていた。水面下で進められている極秘の強行突入、いわゆる「Xday」が、目前に迫っているとも知らずに…。
劇団の60回記念公演として上演された「ランチタイムセミナー ~検証1997・ペルー日本大使公邸人質事件~」は、副題の通り、22年前に南米はペルーの首都リマで起きた、実際の事件をモチーフにして書かれています。今回はその再演です。事件解決から半年後、まだ誰も触れたくない空気の中、座付き作家の「はせひろいち」は熱病にうなされたように「リマが書きたい」と言い、わずかな資料から一気に書き上げ、皆でスペイン語にも挑戦して、造り上げた作品です。死と隣り合わせの、でも、とても退屈な日常の中、テーブルゲームや昼食後のいわゆる「ランチタイムセミナー」で、生活への意欲を捨てなかった邦人の人質たち。そしてまだテロリストではなく「ゲリラ」と呼ばれていた、犯行グループとのささやかな心の交流。公邸内の「娯楽室」に場面を絞り、ワンシチュエーションを貫いた会話劇でした。22年前に名古屋と東京で公演し、翌年には作・演出の「はせ」が、第2回若尾・松原記念演劇賞を、この作品で受賞しています。
栗木己義/荘加真美/髙橋ケンヂ/まどかリンダ/空沢しんか/林優花/伊藤翔大/杉田愛憲/岡浩之/山﨑結女/はせひろいち/後藤卓也(劇団芝居屋かいとうらんま)/二瓶翔輔(フリー)/山本一樹(演劇組織KIMYO)/中内こもる(劇団中内(仮)・クリアレイズ)
作・演出:はせひろいち/照明:福田恒子/音響:松本詩千/舞台美術:JJC工房/舞台監督:岡浩之/宣伝美術:石川ゆき/制作:劇団ジャブジャブサーキット
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JASRAC許諾番号:
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