関西を中心に活動する舞台芸術集団。
1997年、劇団維新派に在籍中、草壁カゲロヲ・近藤和見が結成。
以来、動員1000人規模の本公演を重ねる。
古典的物語や現代舞台に必須とされる身体表現も行いつつも、その演出手法・劇場空間設定の異質さで、他の小劇場劇団や商業劇のいずれとも違う舞台表現が特徴。
近年では東西、出身母体の垣根を越えた実力派役者が多数参加する。
公演は観客にとって一種の『旅』と考え、「日常から地続きの非日常へ迎え入れる」ことをコンセプトとし、一般劇場の他、神社・教会・現代美術館・ライブハウス・造船所跡地など、屋内、野外を問わず上演。野外公演ではスタッフ・役者、総勢約70名超の一座が組まれ表現者交流のターミナルとしても機能している。
関西を中心に活動する舞台芸術集団。
1997年、劇団維新派に在籍中、草壁カゲロヲ・近藤和見が結成。
以来、動員1000人規模の本公演を重ねる。
古典的物語や現代舞台に必須とされる身体表現も行いつつも、その演出手法・劇場空間設定の異質さで、他の小劇場劇団や商業劇のいずれとも違う舞台表現が特徴。
近年では東西、出身母体の垣根を越えた実力派役者が多数参加する。
公演は観客にとって一種の『旅』と考え、「日常から地続きの非日常へ迎え入れる」ことをコンセプトとし、一般劇場の他、神社・教会・現代美術館・ライブハウス・造船所跡地など、屋内、野外を問わず上演。野外公演ではスタッフ・役者、総勢約70名超の一座が組まれ表現者交流のターミナルとしても機能している。
Social talk
VOGA
(0)
about XX
VOGA
(0)
直観と情熱
VOGA
(0)
Social walk
VOGA
(0)
Lobby
VOGA
(0)
Vector
VOGA
(0)
Ato-Saki
VOGA
(0)
DIGITALIS ~隠サレヌ恋~
VOGA
(0)
VOGA
アート ダンス・舞踏・パフォーマンス 不条理・アングラ
劇団創設以来、神社・教会・現代美術館・ライブハウス・造船所跡地など、屋内、野外を問わず劇場空間を創出してきたVOGAが5年ぶりにホールでの公演を開催。
既成の劇場空間においてもVOGAの独特な世界観を創り出す。従来の音と光と身体表現を融合させた舞台で物語を紡ぎ出すスタイルに加え、プロジェクションマッピングとさらにドラムの生演奏を重ねることで表現の厚みを増す。
○作品ノート
日本某所の公園。
公園には風も吹かないのに揺れるブランコ。
虚無に陥ったひとりの男がいる。男の名はテツ。
テツは揺れるブランコを手で止め、そこに座ることにした。
女がいる。女の名は毬子。
毬子は発達障害を親に疎まれ、施設に預けられている。
そして企業のDMを作成する共同作業所で働いている。
夕刻、作業所の帰りは公園に寄って『みかんジュース』を⼀本飲むことにしている。
その公園にある日、見知らぬ男が現れた。
社会的孤独のふたり。それゆえか言葉を交わさずともなにか居心地が良い。
テツは回想する。
若かりし自分になにか大事なことを伝えようとするように。
自分に関わったおとなたちになりかわり回想に現れるのだった。
草壁カゲロヲ/うめいまほ/渡辺綾子/西村麻生/小森ちひろ/長谷川りか/今道鮎美/佐藤敦子/岩本苑子(少年王者舘)/寺岡千尋/久保健太/石井歩/東洋(東洋企画)/笠原湧/戸梶泰志/國枝千尋(劇団六風館)/福本純里/安田成穂/竹内圭
脚本・演出・音楽・振付:近藤和見
舞台監督:冨田 聖夫/演出助手:タナカ・G・ツヨシ/美術:多賀慧(劇団「劇団」)/美術協力:松本謙一郎/テクニカル・アドバイザー:大沢 安彦(RYU)/小道具:今道鮎美/照明:高円敦美/音響:田鹿充/SE:甲田徹/映像:吉光清隆(PLAYSPACE)/映像アシスタント:古賀睦/衣裳:山口禮子/宣伝美術:森宗香土巳(ISSO inc.)/情宣写真:酒谷薫(SARUGRAPH)/記録映像:株式会社虹映社/記録写真:井上嘉和(株式会社 井上写真事務所)・児島功一郎/制作協力:伊藤豊・平井陽(地球は丸い)・仲島義人(地球は丸い)・岡野万里子/協力:ALL NEW COMPANY・artical-inc/制作:永井ゆきこ/統括:水波 流/プロデューサー:齋藤秀雄/協賛:株式会社共立メンテナンス・株式会社レプトン/後援:KBS京都・工房桝屋儀兵衛・アートコンプレックス/制作支援:京都芸術センター・大阪市立芸術創造館/共催:株式会社ISSO/主催: VOGA
VOGA
アート ダンス・舞踏・パフォーマンス 不条理・アングラ
劇団創設以来、神社・教会・現代美術館・ライブハウス・造船所跡地など、屋内、野外を問わず劇場空間を創出してきたVOGAが旗揚げ20周年を記念して公演場所として選んだのは、創建1200年余を誇る石清水八幡宮。2014年2016年に引き続き、3度目の上演となる同地に過去2回とは異なるスタイルで野外特設会場を設営し、荘厳な社域に独特な世界観を創りあげる。
作品タイトルは旗揚げ20周年記念作品にちなみ『about XX』(アバウト トェンティ) 。『XX』はギリシャ数字で20のこと。20のエピソードが連続するように展開し、それらを反応させながらより大きなイメージを生み出してゆく。
鎮守の杜の借景を背に、オリジナルの音楽と光とプロジェクションマッピングにのせて演者が発声し群舞する姿は観るものに強い体験を残すはず。ひとりの旅役者の人生を通じて、人々の夢と現実、自信と挫折、そして未来へのアプローチを描く。
VOGAが創り上げる独創的なシーンの数々をご期待いただきたい。
草壁カゲロヲ/うめいまほ/渡辺綾子/長谷川りか/佐藤敦子(以上VOGA)
高杉征司(サファリ・P)/ののあざみ/野村幹太/高原綾子(ニットキャップシアター)/中原邦彦/菅一馬/和栗一(劇団アロワナ)/久保健太/松浦倫子/尾形柚香(かまとと小町)/渡邊ルカ/無糖新十郎/羽室ミユ(かまとと小町)/安田成穂
演出・脚本・音楽・振付:近藤和見/演出助手:今道鮎美、江頭りか子/舞台監督:塚本修(CQ)、河村都(CQ)/美術:今道鮎美、蘇立盛/照明:大沢安彦(RYU)/音響プラン:高田文尋(ソルサウンドサービス)/音響オペ:合田加代(結音)/効果:江頭りか子/録音・ミキシング:甲田徹/映像:吉光清隆(PLAYSPACE)/映像アシスタント:古賀睦/機材:RYU/リッジクリエイティブ/ソルサウンドサービス/衣裳:山口禮子/衣裳補佐:園田萌河/客席設計・設営:大田和司/柏木準人/屋台ディレクター:上村 愛一朗(カドヤ)/屋台出店:立ち飲みカドヤ、バリバリインドネシア、VOGA foyer/表紙絵:足田メロウ/宣伝美術:森宗香土巳(ISSO inc.)/舞台写真:井上嘉和(井上写真事務所)/舞台映像:株式会社虹映社/記録映像:仲村逸平/制作:齋藤秀雄、水波流、永井ゆきこ/制作補佐:藤田有華(三毛猫座)、西村麻生/制作協力:岡野万里子、ルーク・イトウ、平井陽(地球は丸い)、仲島義人(地球は丸い)/主催:VOGA/共催:株式会社ISSO/協賛:株式会社共立メンテナンス/後援:株式会社レプトン、株式会社桝儀、KBS京都、ART COMPLEX/助成:芸術文化振興基金/制作支援:京都芸術センター、大阪市立芸術創造館/協力:石清水八幡宮、石清水八幡宮研修センター清峯殿、男山レクレーションセンター、KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2017 フリンジ「オープンエントリー作品」
VOGA
アート ダンス・舞踏・パフォーマンス 不条理・アングラ
2018年、劇団創立21年を迎え、新たなステップを踏み出すVOGAは劇空間をあえて劇場に移し、新作のパフォーマンスを創りあげた。プロジェクションマッピングにて現実の空間を複数の幻想的空間に変化させ、大音響のオリジナル音楽の中、演者が発語し、一般的なダンスではなく『動作』と呼ぶ独特の身体表現で群舞を行う。野外や非演劇的な空間を劇場空間に創り変えてきたVOGAが、今回、劇場をいかにVOGAらしい異質な空間に創り変えるか、そして、いかなる表現を産み出すか、ぜひお楽しみ頂きたい。
■作品テーマ■
この作品の意図は、徹底された『孤独』の主、キリストとアルトを偶像として存在させ、彼らのように一個人が『真の孤独』(それは鳥のように大空を舞うに等しく)を果たせるか否かを問う。『真の孤独』をやり切れない私たちを前提として、なぜ社会の一員として生きているのか、なぜ権力に正しく向き合わなければいけないのか、の議論を観客に煥発させるためである。
美と暴力と。直観と情熱と。
(演出・近藤和見)
草壁カゲロヲ/うめいまほ/長谷川りか/佐藤敦子(以上VOGA)
岩本苑子(少年王者舘)/菅一馬/吉﨑加奈(舞夢プロ)/久保健太/無糖新十郎/尾形柚香(かまとと小町)/羽室ミユ(かまとと小町)/笠原湧/岡崎叶大/大石智也
演出・脚本・音楽・振付:近藤和見/舞台監督:河村都(CQ)/美術:今道鮎美/映像:吉光清隆(PLAYSPACE)/照明:大沢安彦/音響:高田文尋(ソルサウンドサービス)/音響オペレート:丹治晴奈(エスエフシー)/機材:ソルサウンドサービス/衣裳:山口 禮子・樹下 由紀/表紙絵:Misato Iwamura/情報宣伝:齋藤秀雄、森宗 香土巳(ISSO inc.)/舞台写真:井上嘉和(井上写真事務所)/制作:水波流・永井ゆきこ・齋藤秀雄・片山知音/制作協力:ルーク伊藤・岡野万里子・渡辺綾子・前田紀美枝・MAGASINN KYOTO/主催:VOGA/協賛:株式会社共立メンテナンス/後援:株式会社レプトン/協力:大阪市立芸術創造館/助成:アーツサポート関西・大阪市助成公演・平成30年度文化庁芸術祭参加公演
VOGA
2016年5月に石清水八幡宮で上演し好評を博した作品。
野外特設舞台を組んで10ステージを上演。1222名のお客様にご来場いただきました。
<Social walk作品モチーフ>
人は生まれ、社会の中の様々なものと関わりながら歩んで行く。
石清水の荘厳な杜の力を借りて、ひとりの少年の歩みをモチーフにして描く幻想的な叙情詩。音・光・動作・言葉、VOGAが描き出す風景の連なりを感じとって頂ければ幸いです。
草壁カゲロヲ/タナカ・G・ツヨシ/足立昌弥/荒木輝/野島健矢/うめいまほ/渡辺綾子/西村麻生/小森ちひろ/長谷川りか/今道鮎美/岩本苑子/石川信子/日下七海/ままれ(チムチムサービス)/前田愛美/香川由依/佐藤敦子/清水風花/西尾 友希
脚本・演出・音楽:近藤 和見
舞台監督:澤井克幸/演出助手(振付):古川晶子/美術:照井旅詩/美術助手:多賀慧(劇団「劇団」)/装置協力:松本謙一郎/美術班:前田大地・井手窪真季・佐藤由輝/小道具:今道鮎美/照明:柴田啓助(KYOEI)/音響プラン:田鹿充/音響:上月亮(artical-inc)/SE:甲田徹/音響助手:佐野和也(2nd Stage Corp.)/機材:KYOEI・2nd Stage Corp./衣裳:山口禮子/宣伝美術:森宗香土巳(ISSO inc.)/情宣写真:酒谷薫(SARUGRAPH)/記録映像:株式会社虹映社/記録写真:井上嘉和(株式会社 井上写真事務所)・児島 功一郎/制作協力:伊藤豊・平井陽(地球は丸い)・仲島義人(地球は丸い)・竹村妹子・伊藤心胤/制作:永井ゆきこ・山口アカネ・岡野万里子・山下真央子・高木佐世子・竹内桃子・片山知音・西本 紋奈/舞台設営協力:ALL NEW COMPANY/統括:水波流/プロデューサー:齋藤秀雄/助成:芸術文化振興基金/協賛:株式会社共立メンテナンス/後援:KBS京都・工房桝屋儀兵衛・ALL NEW COMPANY・株式会社レプトン・ART COMPLEX・『ギア-GEAR-』/協力:石清水八幡宮・京阪電気鉄道・バリバリインドネシア・「御料理・割烹」・イカロ・CLAMP COFFEE SARASA・株式会社ISSO/主催:Performing Arts Company VOGA
VOGA
とある古びたビルがあった。
そう大きくはない、4階建アールヌーボー風のビル。
その洒落た造形と対象的に、永らく使われていない建物が持つ、ある種の廃墟感を醸し出している。
休眠地の再生事業を担当する不動産会社社員たちを出迎えたのは車椅子にのったひとりの老婆。
オーナーである老婆は社員たちの話も聞いていない様子で昔話を始める。
社員たちが困ったように顔を見合わせていると、ふと我に返った様子で老婆は顔を向け「このビルに興味がおありなら、お好きなようにご覧なさいまし、、、」そう言ってエレベータに掌を差し出したのだった。
ロビィには軋むような音をたてて上下する一台のエレベータ。埃を被った応接セット。
ビルに迷い込んだ社員たちは、それぞれのフロアで時空を超えたドラマを目撃する。
この廃墟のようなビルは果たして何なのか。
草壁カゲロヲ/西村麻生/石川信子/岩本苑子/渡辺綾子/長谷川りか/小森ちひろ/東洋(東洋企画)/タナカ・G・ツヨシ/川北唯(オセロット企画)/望月卓哉/佐藤和駿(ドキドキぼーいず)荒木輝/葛山陽平/石井歩(流刑芝居)/青地貴裕(エーライツ)/木村直樹/杉浦史樹/うめいまほ
脚本・演出・音楽:近藤 和見
舞台監督・演出助手:澤井 克幸/舞台美術:照井 旅詩/照明:柴田 啓助(KYOEI)/音響プラン:田鹿 充/音響:上月 亮(artical-inc)/サウンドエフェクト:浅葉 修/サウンドエンジニア:甲田 徹/映像:吉光 清隆/機材:KYOEI/衣裳:山口 禮子/衣裳助手:樹下 由紀/宣伝美術:七田 淑子/情宣写真:児島 功一郎/記録映像:株式会社 シネマズギックス/記録写真:井上 嘉和(井上写真事務所)
美術班:井手窪 真季・今道 鮎美・上杉 創平・古賀 睦・佐々木 杏花・佐藤 由輝・多賀 慧・永井 攻・前田 大地
制作=永井 ゆきこ・佐藤 絢
舞台設営協力:ALL NEW COMPANY
統括:水波 流
プロデューサー:齋藤 秀雄
助成:芸術文化振興基金
協賛 = 共立メンテナンス
後援 = ART COMPLEX・ギア・KBS京都・E→KAN・ALL NEW COMPANY・Lepton
協力 = 株式会社枡儀・株式会社ISSO・KYOEI
主催 = VOGA
VOGA
平安時代末期、京都。
いまはむかし、京の東の端の朽ちた庵に、仲睦まじい夫婦があった。
その夫は一流の仏師をこころざし、旧都奈良より妻をともない仏工各派の名門が集まる京へ上ったのであった。
しかし出自を理由に仏工各派の入門かなわず、やがて夫妻は困窮し乞食同然の暮らしに身をやつすのであった。
或る日。
いつものように五条の橋の上にゴザを敷き、自作の木像を売る夫の目の前で、平氏の牛車が何者かに襲撃される。慌てて賀茂川に飛び込み難を逃れた夫は、やがて静かになった橋に戻り事切れた武士たちに手を合わせる。心持ちの落ち着いた夫、走り去った牛車から落ち残された、絹の反物や冷たくなった武士たちの刀に目を奪われる。悪心が芽生える。あたりを見渡すと人々は騒動を避け遠く去り、だれもいない。夫は貧しさに堪える女房の、すっかり頬の削げた顔を思い浮かべ意を決する。それらを拾い盗み取り、猿のごとく東へ逃げ去る。
しかし、運がない。
だれも見るものがないと思われたその始終は平氏の少年密偵カムロにしかと監視されていた。
仏工夫婦はそれ以来、舎人に追われる身となる。
或る日。
御所を守る舎人は不思議な体験をする。
ふと気づくと柵に囲まれている。囚われの身。身動きできない。柵の向こうでは風が吹き荒ぶ。まるで風の音や冷たさが様々の記憶を呼び覚ますように感じる。はっとする。その風に乗って男の声がする。その男は舎人に問いを重ねる。見た夢について、義務について、なすべきことについて。舎人は答えるたびに目が開くように感じる。なすべきことを覚える。『時が近づいている』重要性を感じる。いつのまにか柵が消えている。男は「やっと気づいたか。おまえはおまえ自身の行為を明らかにしたせいで自身に囚われてしまったのだ」という。名を問うと男は天狗と名乗った…。
或る日。
トキが群れている。
そこは京の遺骸の捨場所、鳥辺野。追い剥ぎとなり下がった仏工夫婦が遺骸の着物を剥いでいる。すっかり手馴れた様子で仕事を済ませると野犬の群れの鳴く声。慌てて立ち去る夫婦。
トキの群れは遺骸をついばみ、また啼く。鳥たちは遺骸の無念を聞く。鳥たちは遺骸のひとりに語りかける。その遺骸は事件に巻き込まれ死んだ件の舎人である。トキにうながされた舎人は甦り、『愛する女と歌を詠む旅をする』人生を持つことを思い出す。そして一羽のトキがひとりの女となり、誓い合い、永遠に続く旅へと出立するのであった…。
【Vector】には自由と制限がある。平安時代前期より現在まで1100年以上の歴史を持つ石清水八幡宮での上演に特化した作品であり、また【徒然草】や【今昔物語】に登場する神宮である。そこにインスピレーションを得て、各エピソードは【今昔物語】に収録されていそうな物語を新たに創作し、編んだ。ひとつは夢を抱き、挫折し、やがて不幸な運命に流されていく仏師夫婦のエピソード。もうひとつは幾度も生と死を繰り返しながら、恋の持つ出会いの喜び・死別の哀しみを永遠に再現させる旅する男女のエピソード。このふたつのエピソードが物語を運び、前近代から現代を直線で結ぶ『ベクトル』となる。この物語は自由である。
そして奉納以外の舞台上演は石清水八幡宮の1100年の歴史で初めてということもあり、再演するに叶わない公演であろう。つまり、この映像に収められている舞台はこのDVDの中でしか再現性を持てない。その制限ある公演の記録として、VOGA【Vector】公演を楽しんでご覧いただきたい。
草壁カゲロヲ/谷弘恵/東洋(東洋企画)/玉城大祐(発泡鉄)/大畑力也/岡本昌也/足立昌弥/タナカ・G・ツヨシ/森田深志/望月卓哉/横山直樹/堀井和也/新居達也(CrossRopeLife)/渡辺綾子/長光麻紀子/土居志央梨/水本佳奈子/うめいまほ/松田由佳(エーライツ)/松浦倫子/フクニシヨシミ/赤坂咲桜/川北唯(オセロット企画)
作・演出・音楽:近藤和見
舞台監督:澤井 克幸/美術監督:青木 勉(大原野アトリエ)/照明:高円 敦美/照明操作:森 瑞樹(株式会社フルスペック)/音響:上月 亮(artical-inc)/SE:浅葉 修/音楽制作補:甲田 徹/音響機材:キョウエイ/映像:吉光 清隆/衣装デザイン:山口 禮子/衣装:樹下 由紀・川口 果恋/メイク:福田 桃子/メイク助手:正田 沙希/演出助手:辻本 佳/宣伝美術:七田 淑子/表紙絵:タムラグリア/記録映像:藤本 啓太・酒井 麻衣(株式会社 海空)/記録写真:井上 嘉和/美術部:西山 寛・今道 鮎美・浅野 絵理奈・西村 立志/制作:片岡 大樹(ミロク革命社)・川南 絆(ミロク革命社)・築地 静香・渡邊 真帆・高木 佐世子/美術特別協力:友井工芸/統括S/V:水波流/特別協力:林 海象
VOGA
太平洋戦争末期。
激戦地ニューギニアで戦う鉄道省機関士、日下部正造と、内地で夫の帰りを待つ、妻・マチコ。
一九四五年八月一五日、日本は終戦を迎える。
マチコは生死不明の帰らぬ夫を待っている。夕刻になると汽車を眺めにゆくのが日課となった。
機関士であった正造の面影を探している。月日が過ぎる。
ある日、正造は帰還する。「現地人に助けられた」と言う。正造は片足を失っている。
だから機関士に戻るも叶わない。正造は日本がすっかり変ったように感じる。
思うに任せられぬ日々に、自然と精霊に包まれたニューギニアの生活を思い返す正造であった。
一九四五年八月一五日の【あとさき】を描く、日本の物語。
草壁カゲロヲ/ハ・スジョン/ふくだまさと/昭和今日子/谷弘恵/ののあざみ/船戸香里/高橋理紗(空の驛舎)/滝沢侑子/タナカ・G・ツヨシ/足立昌弥/松嵜佑一(A級MissingLink)/横山直樹/新井達也(CrossRopeLife)/堀井和也/岡田将司
舞台監督:塚本 修(CQ)/美術監督:水波 流(ART COMPLEX)/舞台・美術監督補:西山 寛/照明:高円 敦美/音響:田鹿 充/音響操作:甲田 徹(Rac_Ka)/映像:吉光 清隆/鉄・美術:仁同 知明/衣裳:新井 友香・樹下 由紀/メイク:福田 桃子/演出助手:タムラグリア・姫路 香・仲島 義人/表紙絵:足田 メロウ/宣伝美術:北村 美沙子/web制作:荒木 康代
美術部:青木 太郎・浅野 絵理奈・今道 鮎美・佐竹 秀幸・村上 由宇麻
美術部チーフ:古賀 睦
制作部:天野 奏(Rac_Ka)・光井 聰・山口 禮子
制作部チーフ:橋本 一広
VOGA
我々の物語は、太宰治の小品【葉桜と魔笛】を原案に、理想を象り加速度的に連想される登場人物たちの精神作用を示すものだ。未成熟なまま不治の病を抱える少女、和歌子。小説家への夢を持ちながら少女を懸命に介護する姉、登史子。和歌子を慕い恋文を送る詩人志望の青年M・T。そして青年の友人たち。登史子からの日記形式のファンレターから取材し【葉桜と魔笛】を創作する太宰。かれらは凸所である舞台世界において独立し、さらなる空想を広げ、すれ違い、打ち解け、崩壊し、やがて物語の定型的必然を無効化するであろう。
イエスとユダの役割は存在意味において聖書上、完全に交換可能であるという。聖書を熟読していた太宰治はなにを思うか。純粋なる思考で創作をすること、社会に徳目した生活に対し背を向けてしまうこと。【晩年・人間失格】で太宰みずから予告した自死をやがて受け入れたこと。また同様に、聖書にある預言の通り、イエスがユダに投げかけた『裏切りの預言』をユダは受け入れ実行し主を裏切ったこと。「かならず人のそしりはまぬかれない」。それは避けることかなわぬ寄せる大浪だったのか。なぜ受け入れるのか。ユダはイエスがその裏切りを、奇蹟を得、乗り切るのだと信じ、試したのか。
上記の物語と我々の物語とは根を同一にして<和歌子>と<青年M・T>あるいは<登史子>と<太宰>の役割は凸所の狭間において、不可能性のパラドックス をくぐり抜け完全に交換可能である。そして<青年M・T>の凸所での存在は凹所である<和歌子>の『美のイデア』を象った夢である。我々の物語に構築するロマン的世界は、凸所にある現実との拮抗状態に置かれ、原則的に<和歌子>と<青年M・T>との絶対的な合一を目指している。だが <和歌子>の夢は、彼女自身の死の観念によって地上的なものに頽落させるのだ。それは『美のイデア』という豪華な晩餐が、テーブルを傾けるだけですべて、 こぼれ落ちてしまうように、儚い。<和歌子>と<青年M・T>、そして<登史子>と<太宰>。
このような純粋思考の人間が喜び、苦しみ、行き詰まることほどの、人生の完成はない。
脚本:近藤和見
草壁カゲロヲ/タナカ・G・ツヨシ/昭和今日子/うめいまほ/横山直樹/田中浩之(Will Be SHOCK Entrance Gate)/古野陽大/玉城大祐(「発泡鉄」「デ」)/渡辺綾子(イッパイアンテナ)/正田沙希/住吉山実里/土居志央梨/水本佳奈子/益田さち/ミスター/坂下七海/小林三悠(ダンス以前)/袋坂ヤスオ/谷弘恵
脚本・演出・音楽:近藤 和見
舞台監督:渡川 和彦 (渡川組)/美術統括:水波 流/美術監督:西村 立志/照明:高円 敦美/音響:田鹿 充・大屋 努/映像:吉光 清隆/衣裳:TAEKO SHIMIZU・樹下 由紀/メイク:福田 桃子/音楽制作補:甲田 徹/音響機材:松尾 謙 (SOUND-1)/演出助手:杉本 誠/舞台進行:中島 義人・井上 瑛里加/ダンサーオーガナイズ:日置 あつし(SUGAR&salts/n.s.dye.h.)/記録映像:松浦 莞二 (スタジオkk)/記録写真:井上 嘉和/表紙絵:タムラグリア/宣伝美術:北村 美沙子/制作チーフ:星川 ユリコ/制作補:築地 静香・橋本 一広/スタッフ:西山 寛・古賀 睦・今道 鮎美・浅野 絵理奈・岡野 万里子・宮澤 慧智
主催:Performing Arts Company VOGA
後援:吉田神社
JASRAC許諾番号:
9015824001Y43136
NexTone許諾番号:
ID000002082