カテゴリー ミステリー・サスペンス,
劇団名 劇団芝居屋かいとうらんま
公演時期 2020/02/22
地域 中部
キャスト
贈人/ごとうたくや/西藤茅花/花太郎/一ノ瀬つぐみ/Macco/小野圭子/あまぐり/矢崎隆之/柾行/まーぼ春雨
スタッフ
原作:加賀美リョウ/脚本:後藤卓也/演出:蒙古斑/舞台監督:新川隆幸/音響:浅井唯香/照明:西藤茅花
あらすじ
【だんがん・こくし】非常に狭い場所の例え
雇われて人を殺し続ける殺し屋・松木。
松木に殺された謎の男・兵藤。
殺したハズの兵藤が、脳天に空いた銃痕の穴を見せながら
松木の前に現れた。
「何かの間違いじゃない?」
お互いの主張が食い違う中、次々と現れる松木に殺された人たち。
亡霊に囲まれた殺し屋は、次のターゲットを狙うのだが……。
平均: (1)
neko 2020/03/15 17:40
弾丸黒子
前半のファンタジックともいえるブラックユーモアと、絶妙なセリフのやり取りで、一気に引き込まれます。 しかし「ユウレイ」がたくさん出てくるあたりから、なんとなくその絶妙さがほぐれてきて「新たな展開に」と思ったのですが、ドラマはシュールなものから少し現実になり、緩慢な空気になりました。 さらに兵頭と妻とのやり取りが現実的になります。しかし、妻をとりまくデキゴトの設定が一般的過ぎて(兵頭も「よくあること」なんて言っていますが)、そのあとの妻の自殺(実はそうではなかったのですが)に唐突感があります。 兵頭と彼を殺した松木の「結末」は、このミステリーなドラマの「解決」なのですが、兵頭を殺す理由、彼の妻の死の理由がさほど謎めいてないので、“あーやられた!”という「解決」というものにはなってない気がします。 最後の場面、兵頭と松木が「あの世」で仲良く座って、客席を見渡します。この場面にドラマ自体の「解決」があるのでは、と思いました。 大きな円環の中でひとの死、あるいは殺されること、ひとの生、あるいは殺すこと、は別々のことでない、という、ひとつの達観を示している、ということだと思います。 であるなら、兵頭の初めからの(撃たれる前まではそうではないですが)達観ぶりが残念かもしれません。 あっさりと妻の殺害を話してしまう、というのは最後の「あの世」の場面のきわだちを、そいでいるような気もします。 松木のように隠せない動揺がもっとあって到達する達観でないと、どうも。 仮に、兵頭と松木の二人だけの芝居だったら、どうだったのだろう?と考えてしまいました。二人の緊張とユーモアなやりとりだけだったら、このドラマはもっと面白く、世界も大きくなったのでは、と。 6月に岐阜で再演とか。ぜったいにもう一度観にいきます。だから、つまらなかったわけではなかったです。
けむりのゆううつ
劇団芝居屋かいとうらんま
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