カゴの中

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商品コード: 21032403
カムヰヤッセン『戯曲集3』台本
販売価格(税込): 1,019
2009年9月~2013年1月作品 ※この商品はメール便対象商品です(3点以内)
■商品説明
作:北川大輔

▷『トラベリング・オン・ザ・シャーレ』
「2つの鏡で見えるもの」
昔、結婚式の引き出物のカタログから何か一つ選んでいいと言われ、
僕は顕微鏡をリクエストした。
あの何とも言えないメカニコゥ(当時)な出で立ちに、
すっかりやられてしまったのである。
だがあまりのメカニコゥさ加減にすぐにげっそりしてしまい、
じき戦隊ごっこの武器になった顕微鏡は、
引っ越すときに隣の家の子のものになった。

数年後、同じようなロケーションで、
今度は望遠鏡を選んだ。
ちょうど何とか彗星だの、何とか流星群だのが流行っていた頃だったのだが、
これもまた早々に弟のバズーカ砲となる運命を巡り、
そのうち廃棄処分になった。

あれから10年近くたった。

当時そんな科学少年だった僕も、
今では語学と演劇に勤しむ文系学生となり、
目先の一週間のことに頭を抱える日々を送っている。

顕微鏡を使う程、小さな何かにのめり込むこともなければ、
望遠鏡を使って今存在するか分からない星に思いを馳せる余裕もない。

そんなせせこましくなった今だから、ちょっと昔に戻ってみよう。

とりあえず、顕微鏡と望遠鏡を武器にして、
シャーレに乗って、遠く遠くを眺めてみよう。

ミクロな世界の、マクロな時間を描いてみる。

そんな話。

(上演当時のあらすじより)

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▷『バックギャモン・プレイヤード』
「正直に言おう、もうたいして興味がないんだ。」

こんなに凪いでいる時も珍しい、というほど穏やかだった。
しばらくそのコップの中の嵐を眺めた後、嵐は次第に収まって、夜がきた。
それから暫くの間、海は鳴かなかった。
海を知らなかった男は、海の絵を描こうと思った、
が、男は本物の海を知らなかったので、白い磁器のカップの絵を描いた。

こんな日はもう来ないのではないか、と思うほどその日は暖かかった。
庭に広げた洗濯物は、朝食の前にはしっかり乾いていた。そして朝がきた。
それから暫くの間、雨は降らなかった。
陽の光を知らなかった女は、太陽と話をしようとした、
が、女は本当の太陽を知らなかったので、庭に咲いている向日葵と話をした。

そこに住む人たちは皆、本当の海も本当の太陽も知らなかったのだけれど、
嵐はコップの中で起こるものだったし、
向日葵の向いている方向に太陽が出ていることは知っていたので、
特段そんなに困ることはなかった。
そういったものを自分たちが知らない、ことも知っていたし、
その知らないことすら知らない連中に比べたら、
自分たちは幾分かましだと思っていたから、
自分たちの知っていることに疑いを向けることも少なかった。

みんながそれでよかったんだと気づいたときには、
誰もカップの海を書くこともなかったし、向日葵は黙ったままだった。

(上演当時のあらすじより)

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▷『やわらかいヒビ(再演)』
2010年のMITAKA NEXT Selection 11thで初演した
「やわらかいヒビ」の大幅リテイク版になります。

あの時から大きく変わった今の社会の中で、我々のフィクションの物語は
どこまで戦うことができるのか、挑戦してみたいと思います。

(上演当時のあらすじより)
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